【趣旨】
諸外国に例をみないスピードで高齢化が進行している日本では、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるよう、地域包括ケアシステムの実現が求められています。
地域包括ケアシステムの実現には、地域の多様なニーズに対応するために、地域の医療機関、介護福祉施設など、異業種の相互の連携が不可欠です。病院においては地域連携室を立ち上げ、医師、看護師、MSW、事務等の多職種を配置し、特に病病連携・病診連携・病介護連携等、関係機関との連携の円滑化に日々奮闘しています。また介護施設や居宅介護支援事業所等においては、医療依存度の高い在宅ケアや看取りのニーズに対応するために、病院やクリニック等との医療連携の円滑化を図っています。
しかしながら、ニーズや社会資源は地域によって異なり、連携のあるべき姿は様々です。そのため連携を担当する実務者は、日々の業務の中で、どのような連携を行うべきか、また、自分の施設内においてどのようにふるまうべきかなど、様々な課題に直面し、悩んでいるのが実情です。
このような中で、病院の連携実務者を中心として「全国連携室ネットワーク」「東北7県医療連携実務者協議会」など県を越えた連携ネットワークが存在し、連携実務者の知識向上や情報交換の場が定期的に提供されています。また全国各地には県単位の連携実務者のネットワークが設立されているところもあり(隣県では青森、秋田)、県内の連携実務者同士の有機的な連携体制の構築が図られています。
一方、岩手県内においては、二戸地域における「カシオペア地域医療福祉連携研究会」や、久慈地域における「北三陸塾」など、一部の地域単位で組織され連携が図られていますが、県単位でのネットワークはなく、設立を求める声が寄せられてきました。
こうした背景や先進事例に学び、岩手県においても、県内各地域の地域連携の取り組みや業務内容についての情報共有や、学習、意見交換の場を提供することを通じ、連携実務者同士の「顔のみえる関係」を築きながら連携実務者の業務の質を高めることによって、より良い医療及び介護サービスを県民が享受できる豊かな保健医療福祉社会の推進に寄与することができると考え、岩手県における連携実務者を対象としたネットワークを設立することとしました。
【名称について】
正式名称を「岩手県医療福祉連携実務者ネットワーク協議会」とします。地域包括ケアにおいては連携すべき対象は医療機関のみならず介護施設や住民等に及ぶため、中心は医療連携実務者としながらも「医療福祉」の連携についても視野に入れていることを名称に反映しています。また主な参加者は「連携室」に所属するスタッフが多いと思いますが、病院規模や機能によっては「『連携室』はないが、連携を担当している」という場合もありますので、「連携実務者」としています。
通称は、「ぐぅの会」です。じゃんけんのグーの形は岩手県の形に似ていますし、英語でじゃんけんのグーは「Rock」つまり「岩」です。「手」で「岩」を作り岩手の形になるという意味が込められています。
また、「ぐぅ」は英語の「good」の発音にも似ています。連携は連携先の良いところ(強み)を知り、それを評価したり、評価されたりすることで活性化されます。SNSでよく用いられる「いいね!」が繋がることが、連携の発展には特に重要です。この会をきっかけとして、「いいね!」の連鎖、つまり「Good」の連鎖が岩手県内に巻き起ってほしいという願いを込めています。
【活動について】
年に1回程度、交流会(情報交換会、研修会等)を開催します。
その他の活動については、会員のご意見を聞きながら世話人会で検討していきます。
【世話人】
世話人は以下のとおりです。
代表世話人 北村 道彦(西和賀さわうち病院 医師)
世 話 人 阿部 誠(県立釜石病院 事務)
〃 阿部 泰子(いわてリハビリテーションセンター 医療ソーシャルワーカー)
〃 川村 美奈子(盛岡赤十字病院 保健師)
〃 石橋 峻(盛岡赤十字病院 事務)
〃 北谷 真(県立胆沢病院 医療ソーシャルワーカー)
〃 鈴木 弘子(県立中部病院 看護師)
〃 藤川 忠巳
〃 湯澤 克(県立宮古病院 医療ソーシャルワーカー)